いつかふるさとに

この新しい街で
生まれたわけではないのに
透きとおる秋の日には
懐かしさがぼんやりと見える

冴え冴と広がる眺めは
ふるさとの息遣いに似て
私は手をいっぱいに伸ばして
おいでおいでをしたくなる

この新しい街も
ずっとあとになれば
ほんとうのふるさとになり
人々に語り継がれるのか

気が遠くなりそうなその日まで
私は生きていこうと思う
人を愛していたいと思う<多摩ニュータウン>