2013-01-13 秋の抜け道 雑木林を抜けて あなたが帰っていった道は 秋が見える道なのだ 池をめぐってお稲荷さんに出れば あなたは独りつぶやくだろう 私はきっと耐えられます、と 武蔵野の秋は 澄んだ空に風が笛を吹き 電車がきらめきながら走り 妙に心がはしゃいだ 離れ離れの恋人たちの瞳さえ 軽やかに歌ったりする こわれてしまった愛について 果たせなかった誓いについて 思い出すのはずっと後でいい 雑木林を抜けて行った道は 寂しさをすり抜ける道なのだ