武蔵野の小枝

やるせないばかりの
無力な毎日だったとしても
いのち二つ
ここまで生きてきてしまった
ならの小枝
くぬぎの小枝
独歩の詩のそのままの武蔵野の風に
ぼくらの愛を思い返せば
まるで小枝のようではないか?
雨の日に
嵐の夜に
折れそうになりつつも
それでも生きながらえた小枝なら
まるで僕らのようではないか
静かなままに
何も主張できないままに
いのち二つ
ひたすら生きた思い・・・