美しい言葉のように

何一つ口に出さなくても
これ以上に
美しい言葉がないような言葉を
あの時代には語っていた

遠い春の学生通りを
汗ばみながら駆け抜けた片恋たち
冷たい秋の学生通りを
傘もささずに歩いた青春たち
まるで
美しい言葉のようだった時代

できることならば
いつも美しい言葉を持っていたい
いつも美しい言葉を信じていたい
愛、別離、並木、春、秋、学び舎、未来
そして学生通りの思い出<駒場東大前>