愛の場所

あなたにみつけてもらうまで
私は誰だったのかしら
冬の梅の香りのように
その辺に漂っていただけだもの

できるならあなたと
あの境内に行きたい
だって私は梅の群れの
目立たない香りだったから

愛されることは素敵ね
曇りがちなこの街の空が
近頃とてもよく晴れて
私の粗末な服も
束ねただけの長い髪も
あなたにみつめられる度に
とても綺麗になっていくから