藤色の娘

心の美しい娘ほど
すぐに汚れに染まってしまい
小さな汚れに傷ついてしまう
だから君はこの街で
うつむきがちに生きてきたのか

でも君は知らないだろう
朝早くにこの街が
美しい藤色に刷られていることを
そして大都会の匂いに混じり
ひっそりと
藤の香りが漂っていることを

優しい朝をあげよう
藤の花たちが匂い立つ場所へ
連れて行ってあげよう
すっかり藤色に染まった君を
密かに愛したいから<亀戸天神>