東京・ふるさと

吹き去った風がまた
還ってくるような朝がある
同じような匂いをのせて
同じような冷たさを含んで

季節をめぐる風たちは
永遠の旅人なのかもしれない
けれでも彼らに聞いてみれば
遠い昔のこの街のことや
住んでいた人々の息遣いが
よくわかるかもしれない

今朝還ってきた風たちは
きっと微笑みながら答えるだろう
旅から帰るときと旅に出るとき
この街はいつも心にひっかかる
だから東京はふるさとだ、と<東京駅>