幸福

いつも幸せを
幸せだけを夢見ていたいなら
池の美しい庭に来るといい
小径をめぐり
水に映る静けさを眺めるうちに
心は安らかな寝息をたてる
あの幼い頃に

苦しみなど何も知らないころに
この風景を心に染めていたら
私には今でも
幸福しかないだろう
汚れたものを見過ぎた眼には
つらいことに慣れすぎた身には
池の美しい庭の眺めは
かえって心をざわつかせる
小径をめぐり
水に映る静けさを眺めるうちに
また少し幸福が遠ざかる