精霊

恋人よ・・・
あなたが去った今も
花は春になると咲きます
繰り返し、繰り返し
あなたが花の精霊であったと
私に告げているようです

恋人よ・・・
川岸を歩いた思い出の上に
暗い明日を語った季節の上に
花はもう散っています
あなたのすべてを埋めるように
花は降りしきっています

恋人よ、幸せですか
下町の川の眺めに似合うような
懐かしい暮らしをしていますか
恋人よ、遠き日の我が精霊よ