2013-01-13 花折りびと 咲きたての花を折る少年を ぼくはなぜ叱ってしまったか たとえひそかに手折られても それが花と少年の愛ならば 花に哀しみはなかったろうに咲きたての花のようなひとに 手も触れず唇もかわさず それが心の愛だなどとは なんと勝手な言い草だろう 悲しみながら去った青春が 今になって分かるというのに少年よ、花を美しいと思ったら 口笛を吹きながら手折れ その瞬間もこれから先も 花はずっと咲きつづけるだろう 多分、それが愛というものだから