別れから明日へ

冬から春へあるいた径を
夏から秋へあるいた径を
君はもう忘れてしまったか
色だけ変えるけやきの並木は
追憶を塗りかえはしないのに

秋のかげろうのように
足早に通り過ぎた人は
とても悲しそうにみえたけれど
あれは君ではなかったか
スカートの裾に枯葉が一枚

愛から別れへあるいた径を
別れから明日へあるいた径を
君はもう忘れてしまったか
けやき並木の数を数えて
私たちの追憶の径だといった君は
いまはどこをあるいているのか