青春晩鐘

通り過ぎて振り返れば
その季節の短さに
人は黄金色の枯葉をみるだろう
青春とは
振り返って気がつく
夕映えの晩鐘なのかもしれない
懐かしい学生街の
懐かしい古本屋の
妙に暖かい活字たちよ
君たちのページの中には
いつも
黄金色の枯葉がはさまっている
そして君たちの行間からは
いつも寂しい晩鐘が聞こえる
あの貧しい学生達をなぐさめ
素朴な学生気質を育んだ
遠い遠い晩鐘が聞こえる<ニコライ堂お茶の水>