むさしの

落ち葉をかき集める人は
思い出を焚き
焚き火に手をかざす人は
思い出を温める
今もそんな風景が似合う場所

人と人との関わりが
煙となって秋空に向かうと
水鳥たちが冬支度をはじめる
水の豊かな公園では
孤独が音を立て始める

武蔵野を時雨が駆け抜けた翌朝は
秋が素朴な気配に満ちる
公園端を登校する子供たちには
池に落ちる木の実の音は
きっと届かないだろうけれど